塗装・塗料のコラム

阪神佐藤興産株式会社

2020
12.1

屋内の鉄扉で塗り替えた油性塗料がはく離した

油性塗料の固化が原因

 

塗り替えることもなく、かなり前から使用していた屋内の鉄の扉ですが、目立った劣化もないのでメンテナンスを行うことなく使用してきました。雰囲気を変えるために、同じ油性塗料を使用して違う色に塗り替えることにしました。数カ月後に鉄扉に物が当たったときに塗膜が浮いたような状態になり、浮いた部分をつまむと簡単に新しく塗った塗料が旧塗膜からはがれてきました。

はく離は20年以上も前に塗られた合成樹脂調合ペイントと呼ばれる油性塗料に原因があると思われます。塗装前の塗膜は変色もなく、つやのある健全な状態だったようです。

一般的には同種類の塗料の塗り重ねは付着が良いとされていますが、油性塗料の場合は空気中の酸素と反応させて乾燥させる酸化重合反応形の塗料です。この種の塗料は長期にわたり放置すると、ラッカーシンナーのような強溶剤でも溶けなくなるまで反応が進みます。表面が焼き付け塗膜のように固化し、鏡面のように変化することで、塗料が付着する足がかりが少なくなり、同じ油性塗料で塗り重ねても付着しないことが起こってしまいます。

 

 

 

 

表面の目あらし(軽い研磨)を行って付着性をアップ

 

いずれにしてもこのような現象は、油性塗料の性質そのものが原因のため、塗り替える場合は塗膜をはがすか、目あらし以外に方法はありません。
油性塗料は昔から安価で使い勝手が良いので、色々な所で幅広く使われてきましたが、冬場の乾燥不良、厚塗りでのちぢみ(しわ)などの心配から、最近では弱溶剤形のアクリル、ウレタンに代わってきています。また油性塗料に限らず内装で鉄部などのつや有り塗料を塗り替えする場合は、油などの付着もあることから目あらしをすることをお奨めします。
もしこの様な、はく離が起こった場合は …

 

①浮いた塗膜、弱った塗膜を金べらなどで丁寧に取り除き
②ポリエステルパテなどでキズ、へこみ、塗膜の段差の調整を行い
③全体をサンドペーパーで平滑にして
④上記の塗料で仕上げてください。