塗装・塗料のコラム

阪神佐藤興産株式会社

2021
5.1

改修工事の際には既設の外装塗料のアスベスト有無の調査は必要?

2006年8月までに施工された仕上塗材の改修に注意

 

2005年5月に竣工した建物の外壁改修工事を検討している商業ビル管理の方から、「図面によると使用した塗料はアクリル系吹き付けタイルですが、塗料のアスベスト有無の調査は必要ですか?」という問い合わせがありました。

 

外装塗料を含む建築用仕上塗材は、一部のメーカーで塗膜のひび割れや施工時のダレを防止する目的でアスベストを配合した製品が、1965~1999年に製造されていました。
そのため、アスベスト飛散対策の指針となる報告書『建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針』が、建築研究所と日本建築仕上材工業会により作成されています。

 

この指針には『2006年8月までに施工された石綿含有仕上塗材の改修工事、および解体工事について適用される』と、定められていますので、今回の問い合わせの案件は、仕上げ材の種類や施工年、施工部位などから、石綿含有建築用仕上塗材に該当する可能性があります。しかし、指針には次のような記載もあります。
『石綿を含有しているのは主材層(中塗り)だけであるため、上塗材が施されている複層塗材・厚塗材で、上塗材には白亜化・エフロレッセンス・剥がれ・膨れ・割れの何れかが認められるが、主材層は劣化しておらず、上塗材表面の汚れ、付着物または脆弱な上塗材の部分を、水洗いで洗浄・除去する様な主材層に影響を及ぼさない処理は、石綿等を 除去する作業に該当しないことから、本指針によらず石綿を含有していない、一般的な仕上塗材の改修工事に準じる』。

 

 

 

今回のケースは一般的な改修工事に該当

 

現場調査の結果、アクリル系吹付けタイルは指針に記載のある複層塗材に該当し、上塗りの汚れとチョーキングの発生はありますが、主材層(中塗り)は健全で劣化していませんでした。上塗りの洗浄程度で塗り替えが行えることから、アスベストが飛散することの無い一般的な改修工事に該当するため、届け出の必要はないと判断しました。

 

ただし、この先発生する建物の解体や主材層の劣化改修による除去工事においては主材層の破断や破壊を伴うため、適切な飛散防止措置が求められます。前述の指針に定められた方法でアスベスト含有調査を行い、報告書を所轄の役所に提出した上で、法律に準じて工事を行う必要がありますのでご注意ください。