塗装・塗料の専門知識
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2020
8.1アルミの窓格子に白い斑点が生じてきた?
白い斑点、実は「さび」!
新設から約20年経過したブロンズ色の電解着色アルミの窓格子に、少し盛り上がっていてナイフで削っても硬くて取れない白い斑点が目立ってきました。ナイフでも取れないということは表面に付着した汚れではなく、アルミ特有の白さびだと判断できます。
アルミは柔らかく、酸とアルカリの両方の薬品性に劣り、酸化しやすい素材なのですが、そのために防さび処理と着色の電解処理を繰り返し行い、またキズ防止のために仕上げに焼付クリヤー塗装を施しています。このようにして作られた電解着色アルミは、さびに強く耐久性に優れた材料となります。
しかし、時々この様な白いさびが発生するケースが見受けられます。原因としては、大気中のホコリや黄砂・排ガス・酸性雨などがアルミ表面に付着し、結露などで集められ濃縮された酸性成分が、電解着色アルミ表面の微細なピンホール、処理不足などの欠陥箇所を侵してさびを発生させるのです。白さび防止には定期的なメンテナンスが必要
長期間に渡る汚れの付着がさびの原因となりますので、予防するにはある程度のメンテナンスが必要です。環境にもよりますが、年2回程度の水洗いをお奨めします。汚れが落ちにくい場合は、中性洗剤を用いて水で丁寧に汚れを落とします。ただし、洗剤がアルミ面に残らないようにしっかりと水洗いすることを忘れないようにしましょう。
白さびは塗装で解決!
もし白さびが発生してしまった場合は、塗料を塗ることで対策が可能です。
事前にさびを落としますが、白さびの成分はアルミナと呼ばれる酸化アルミニウムです。
天然石のルビーやサファイアと同じ成分で、研磨剤に使われるほど非常に硬いものなのですが、水研ぎ用の細目のサンドペーパーで丁寧に根気よく削り落としましょう。
水で洗って十分に乾燥した後に、変性エポキシ樹脂さび止め塗料を下塗りとして、溶剤形のシリコン樹脂系の上塗りを2回塗りして仕上げます。さび止め塗料としては、2液の「ハイポン20デクロ」と2液の上塗り「ファインシリコンフレッシュ」がお奨めです。