塗装・塗料の専門知識
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2023
12.1コンクリート庇の塗装でふくれが発生
コンクリート庇の塗装は水廻りに注意!
マンションのコンクリート庇の上げ裏の塗装を行う際、同時に行っていた外壁改修に使用している防水形の弾性フィラーシステムを用いて塗装したところ、1ヶ月後に大雨が降った際に塗膜に大きなふくれが発生しました。
ふくれが発生した原因は、コンクリート庇の上げ裏に雨水が廻りやすいことを想定せずに施工したことにあります。
コンクリート庇のような構造では、天端からだけではなく、先端の押さえモルタルの鼻先、水切りなど、さらには躯体とつながっている壁面から雨水が侵入して、あげ裏にしみ出す可能性があります。
通常、この様なところには水が廻ってもふくれの出にくい砂壁状のリシンや、EP(つや消し合成樹脂エマルションペイント)など、透湿性の良い塗料を用いますが、今回の現場では、防水を目的とした水を透しにくい弾性フィラーシステムで塗装したことが、ふくれの発生につながりました。透湿性の良い塗料を採用!
こうした症状が出ないようにするには、まず水廻り対策を十分に行い、リシン仕上げの改修であればシーラーを塗装してEPをローラーで仕上げるのが最も一般的な方法です。最近では、シーラーレス多機能形の「ニッペケンエース」や「ニッペ水性ケンエース」がよく使われています。
ふくれが出てしまった場合は、全面ケレン後は、改めて水廻り状態を確認した上で、上記の塗料で仕上げるようにして下さい。