塗装・塗料の専門知識
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2022
3.1サイディングボードの塗り替えではく離
塗装しにくいサイディングボードに注意
竣工から15年が経過した外壁のサイディングボードに弾性フィラーシステムを使って塗り替えたところ、すぐに塗膜の浮きが生じました。担当者に塗り替え前のサイディングボードの状況を尋ねると、汚れが少なくツヤも残っているきれいな状態であったとのことでした。
念のために建築図面を調べると、使用された外壁材は大手建材メーカーの光触媒加工されたサイディングボードであることが判明。この建材のカタログを確認したところ、塗り替える場合は専用の下塗りを用いるとの注意書きがありました。このことから、この建材が一般的なサイディングボードではなく、塗料の付着が難しい特殊なサイディングであることが分かりました。
ガラス質サイディングボードには一般塗料は付着しない
特殊サイディングボードは光触媒、セラミック塗料など硬質の無機材料で表面加工されています。ガラスに塗料が付着し難いことと同じで、塗料のような有機材料と無機材料は相性が悪く、はく離する原因となります。
このような問題が出ないようにするには、塗り替えの計画段階で、前述の特殊なサイディングボードが使われていないかどうか建築図面を確認することが大切です。記載のないときは実際のサイディングボードの調査を行います。経年に対してつや引けなどの劣化が少ない場合は特殊サイディングボードの可能性を疑います。
確認の方法はガーゼにラッカーシンナーを浸し表面を擦って軟化、溶解しなければ、特殊サイディングボードである可能性が高いため、弱溶剤ハイブリット形の「ファインパーフェクトシーラー(日本ペイント)」を下塗りに用いて弾性フィラーシステムでの塗り替え仕様にすることがお奨めです。通常の外装塗料を使って付着不良の症状が発生してしまった場合は、もはや全面ケレンするしか対策がありません。水廻りに心配が無いようならば高圧洗浄機でケレンするのが効率的です。ケレン後は上記シーラーを用いて再度仕上げるようにします。