塗装・塗料の専門知識

阪神佐藤興産株式会社

2025
8.1

パッキン材への塗装が原因で鉄扉が開かなくなった。

マンションの鋼製扉が接着された!

 

マンションの大規模修繕工事において弱溶剤形ウレタン樹脂塗料で玄関の鋼製扉の塗装を行いました。塗装は扉正面だけでなく、枠廻りのゴムパッキン材まで塗装し、開放した状態で1晩乾燥して終えましたが、数週間後に居住者様から朝起きたら扉が開かないとのクレームが寄せられました。

 

調査の結果、パッキンに含まれる可塑剤が塗膜に移行して軟化・粘着性を帯びることで、まるで接着剤が働いた様に扉本体とパッキン材が一体化して接着されて、扉が動かなくなったと推察しました。使用されていたパッキン材はクロロプレンゴム製で可塑剤の移行性が強く、短期間のうちに塗膜が溶解して扉を接着させたと考えられます。

 

 

基本パッキン材は塗装せず取り換える

 

このようなトラブルは、実はそれほど珍しいことではありません。軟質塩化ビニル樹脂製品やシーリング材など、可塑剤移行性の高い材料と塗料の組みあわせでは、意図せずして軟化や粘着が生じることがあります。

 

可塑剤の移行によって粘着に至る時間は、組み合わせによって異なり、数日で起こる場合も、数か月掛かって起こる場合もあります。またすべてが粘着、溶解に至るとは限らず、単に軟化するだけで終わるケースもあります。

 

パッキン材と塗膜の接触する部分は塗装を避けて、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴムなど、可塑剤の移行の少ないパッキン材質を選定することが重要です。

また、このような問題を防ぐには設計の段階でパッキン材の取り換え工事と塗装する範囲を明確化することが必要です。

 

すでに施工して粘着症状が発生している場合は、パッキン材の交換が最も確実な対処法です。再発防止の観点からも、ゴム部材と塗料の相性確認は不可欠であり、設計・施工の段階から意識しておくべきポイントです。

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