塗装・塗料の専門知識
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2019
1.21塗り替えたばかりの外壁に白化現象は起きていませんか?
こんにちは!阪神佐藤興産の技術顧問、プロフェッサーKです。
今回は、塗り替えてさほど時間が経っていない外壁が白化(白く変化)する現象について考えます。
大切なお住まいに長く住み続けるうちに、さまざまな部分に不具合や改修が必要な点が生じてきます。ここでは、お住まいにどんなトラブルが起きて、プロはそのトラブルにどのように対応するのか、あるいはそのトラブルにまつわる建築材の知識などをご紹介します。あなたのお住まいでこんなトラブルが起きていないか、確認しながらご一読いただければ嬉しいです。塗り替えた外壁が白くなっている?
外壁を塗り替えてから、さほど期間が経っていないにも関わらず、外壁の一部が白くなっているお住まいはありませんでしょうか。
最近の戸建て住宅の外装建材(窯業サイディデイングボード)は石材調、磁器タイル調、木目調などの工場で塗装された多彩な仕上げの化粧建材が増えています。
ご自宅を建築する際に、外壁の風合いを決定する仕上げにこだわって選ばれるオーナー様がとても多くなってきています。それだけに、改修時でも外壁の仕上げ、意匠はできるだけ変えたくないというご要望は少なくありません。
塗り替え塗装では、工場塗装で生産された意匠を現場塗装で再現することは難しく、そうした場合は、透明なクリヤー塗料を塗布して外壁建材自体の保護や仕上げ塗料の退色を防ぐ処置を行います。
白化の原因はいくつか考えられますが、クリヤー塗料の塗りが不十分で塗膜が部分的に薄くなっていること、さらには塗膜自体が下の意匠塗料から浮いてしまっていることなどが考えられます。クリヤー塗料の不具合はさまざまな方法で原因を調査
クリヤー塗料は、透明ですので、塗装前の意匠性を変えることなく、むしろ意匠を際立たせる効果が期待でき、さらに塗装面を保護することができます。ただ、透明なので透光性が高く、塗膜面の厚さが不均一だったり、わずかでも劣化が不均一に進行すると、一部だけが白く見えてしまうことがあります。こうしたクリヤー塗料を塗布した後の白化現象の場合、原因究明のためにいくつかのテストを行いながら原因を調査していきます。
例えば触診ですが、塗布面を触った感触の違いで、塗膜厚が十分かどうかを確認していきます。また、セロファンテープによる付着性テストも行うことがあります。これは、セロファンテープを貼って剥がすことで、クリヤー塗膜がセロファンテープに付着してこないかどうかを確認するテストです。もしセロファンテープに塗膜が付着した場合、塗膜がきちんと壁面に付着していないことがわかります。
原因がわかれば、補修や再塗布などの対策が可能になります。機能性塗料の上にクリヤー塗料塗布はNG?
また、機能性塗料に上塗りする場合は注意が必要です。特に光触媒塗料が塗布された面への上塗りは避けることをおすすめします。なぜなら、透明な塗料のため光が透過して光触媒機能が活性化することで、クリヤー塗料を分解してしまうことがあるからです。クリヤー塗料を使用する場合は、光触媒塗料をしっかりと除去してから使用する必要があります。
ただし、光触媒塗料やクリヤー塗料は透明ですので、プロでもどのぐらい除去できたか、きちんと均一に塗布できているかは、なかなか判断が難しいのが実情です。
光触媒は現場塗装だけでなく、工場で光触媒処理が施された外装建材もありますのでご注意ください。また経年し汚染、劣化した化粧建材はクリヤー塗料では意匠の回復が望めません。阪神佐藤興産では、お住まいの外壁塗装はもちろんのこと、メンテナンスに関するご相談をお受けしています。もしお客さまが大阪や神戸といった関西圏にお住まいで、外壁塗装や補修などをご検討なら、ぜひとも阪神佐藤興産にご相談ください。