塗装・塗料の専門知識

阪神佐藤興産株式会社

2022
10.3

窯業サイディングボードではく離

シーラーが表層に残らず内部に浸透したことが原因

 

20年経過した無塗装の窯業サイディングボードを塗装することになり、付着力を高めるため下塗りにエポキシ系の浸透性シーラーを入れて、水性シリコン樹脂上塗りで仕上げたのですが、養生を取り外すときに使用する養生テープで上塗りが簡単に剥がれました。

 

剥がれたところを観察すると、サイディングボードの表層にはシーラー層が見あたらず、指先で擦ると粉が着いてくる状態でした。このことから、塗布したシーラーは表層に残らず下層にまで浸透し、シーラー機能が発揮されなかったことが、上塗りのはく離につながったものと思われます。

 

窯業サイディングボードには化粧仕上げ板、シーラー塗装板、無塗装板の種類があり、今回の建物には無塗装の押出し成形セメント板が使われていました。
無塗装板は表層に保護層が無いために、雨水が簡単に浸み込みます。経年に及ぶ降雨、乾燥の繰り返しで、サイディングボードのアルカリ成分が浸食され、多孔質状(スカスカな状態)になり強度も低下します。
今回の押出し成形セメント板も、雨がかりの部分は他の部分と比べ、ほとんど上塗りが付着していないことが観察されました。

 

 

シーラーで濡れ色になったことを確認!

 

経年した無塗装サイディングボードの塗装は、見掛けがしっかりしていても注意が必要です。

 

この様な症状を防ぐにはシーラー塗装後の状態を確認します。目視で表面が濡れたような状態になっていればシーラーは表層に残っています。濡れ色にならず、指でこすって粉が着くようであれば、再度シーラーを塗り重ね、濡れ色になったことを確認してから上塗りを塗装します。

 

はく離事故が発生してしまった場合は、上塗りは活膜(付着している塗膜)を残し、浮き膜、付着の弱い塗膜はケレンして取り除きます。仕上げの注意として、残した塗膜と改修塗膜との段差が生じて仕上がりを損ないますので、できるだけ面を区切ってケレンすることをお奨めします。次いでケレン部はエポキシ系の浸透性シーラーを塗装し、表層にシーラー塗膜が残っていることを確認してから水性シリコン樹脂上塗りで仕上げてください。

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