塗装・塗料のコラム

阪神佐藤興産株式会社

2020
11.1

塩ビ雨どいに塗装したがはく離してきた

原因は油性塗料と表面に残った潤滑剤

 

新築した我が家、すみずみまで満足したいものです。新築時の塩ビ雨どいの色がどうしても気に入らず、新築引き渡し前に職人さんにお願いして油性塗料で色替えしてもらったものの、数年後に塗膜が剥がれてきてなんとも無残な姿になってしまいました。

 

塩ビ雨どいの塗膜はく離には以下の様な複数の原因が考えられます。

 

①最近は使用することが少なくなりましたが、油性塗料で仕上げる場合です。少し専門的になりますが塩化ビニル樹脂と油性塗料は相性があまり良くなく、そもそも付着しにくい組み合わせなのです。

 

②油性塗料は空気中の酸素と反応して乾燥し、経年にて反応が進むと塗膜に生ずる強い収縮力がはく離を促進する原因になります。

 

③塩ビ雨どいの押出成形の加工性を高めるために配合する潤滑剤の脂肪酸、脂肪酸金属塩などのワックスが表面に残っていて塗料の付着性を阻害します。

 

昔は塩ビ雨どいなどの付帯物には油性塗料を使うケースが一般的でしたので、新しい塩ビ雨どいではく離事故が多く発生したため、今でも、新しい雨どいには塗装できないと考えている職人さんもいます。

 

 

 

新品の塩ビ雨どいへの塗装は入念な下準備を

 

新しい塩ビ雨どいのはく離予防には付着の足がかりが必要です。まず細目のサンドペーパーで目あらし(研磨)を行います。目あらしは表面にある潤滑剤などのワックスを取り除くと共に微細な凹凸をつけますので接着する面積が増え、また凹部に塗料が入り込むことで付着性をさらに向上させます。塗料は塩化ビニルと相性が良く、収縮する力が小さい弱溶剤形のウレタンもしくはシリコン樹脂塗料を選択します。また裏ワザとして下塗りにエポキシ系さび止めを使いますと、厚みが得られて仕上がりがアップします。

 

なお、経年した塩ビ雨どいの場合は、潤滑剤も消滅して紫外線で表面が自然と目あらしをした状態になり、外装用水性塗料でも問題なく付着するようになります。

 

はく離症状が出た場合は、はく離箇所周辺の浮いて弱っている塗膜を金ベラなどで入念に除去し、露出した部分を細目のサンドペーパーで目あらししてから、弱溶剤形のウレタン、またはシリコン樹脂塗料を塗装してください。