塗装・塗料のコラム

阪神佐藤興産株式会社

2021
4.1

門扉に塗装した塗料の顔料が服に付着

濃彩ブルー塗料の色移り

 

鋳鉄製の門扉をさび止め後、溶剤形の濃彩のブルー塗料で塗装したのですが、数ヶ月たっているにも拘わらず、服が軽く門扉にふれただけで青い汚れが付きました。確認のため指先で塗膜をこするとやはり青い粉状のものが付着しました。
どの様な塗料でも乾燥が甘い状態で、布などで塗膜をこすると表面が削れて色移りするのですが、今回の場合は十分に塗料が乾燥していますので、他に考えられるのは塗料の乾燥途上で顔料が表面に移り出てくる「マイグレーション」と呼ばれる現象です。同じ様な現象は焼き付け塗装を行う自動車用塗料でも、新車時に布で乾拭きしたときに起こることがあります。「マイグレーション」は、顔料の分散不良、異常乾燥など原因は色々考えられますが、黒(カーボンブラック)、青(フタロシアニン系ブルー)などの樹脂との相性の良くない顔料で起こりやすくなります。

 

 

 

 

人の手や服がふれやすいところでの濃彩色は避ける

 

こうした症状が出ないように予防するには、人の手や服がふれやすいところへの塗装は濃彩色を避けることです。原色に近い濃彩色を避けて、中濃彩から中彩色に変更することをお奨めします。対策としては少量の白塗料を足すことで色移りを改善することができます。
メカニズムは解明されていませんが、白顔料に含まれる酸化チタンが、カーボンブラックやフタロシアニン系ブルー顔料を補足することで表面に移り出なくなると考えています。塗料は、1液タイプより硬化剤と組み合わせる2液タイプを選ぶ方が安心です。どうしても濃彩色が必要な場合は、多少色目が変わりますがクリヤーを塗り重ねて保護を行います。
もし色移りの症状が出てしまった場合は、上記の白で薄めた色相で塗り直すか、顔料が取れなくするためにクリアー掛けを行います。
ただしクリヤーで保護する場合はチヂミ現象に注意して塗料を選んでください。