塗装・塗料の専門知識

阪神佐藤興産株式会社

2025
12.1

仕上がったばかりの壁にフクレが!

複数の要因が重なって発生する熱フクレ

 

夏場、鉄骨造サイディングボード仕上げの戸建住宅にて2回目の塗り替え工事を実施しました。下塗りには弱溶剤形エポキシ樹脂シーラー、上塗りには弱溶剤形2液アクリルシリコンを上塗りに使用し、人気のグレー色で仕上げました。しかし、塗装からわずか約1ヶ月後、南面および西面の壁に大小さまざまなフクレが発生しました。

 

この症状は「熱フクレ」と呼ばれ、壁の構造・気候・方位・塗料の種類・色相・水分・残存溶剤など、複数の要因が重なって発生することが知られています。

 

今回のケースでは、断熱構造により壁の表面温度が上昇しやすかった、また旧塗膜に使われていた1液アクリル樹脂塗料が熱で軟化・溶解しやすい性質だった、さらに新たに使用した溶剤系塗料の溶剤が旧塗膜に残りやすく、極めつけは、熱を吸収しやすい「濃グレー」という色を選択した、これらの要因が複合的に作用し、塗膜内部に残った、溶剤や水分が夏の高温で気化し、逃げ場を失ったガスが軟化した塗膜を押し上げてフクレとなって現れたのです。

 

 

 

 

色選びが“温度”に影響する

 

このようなトラブルを防ぐためには、塗料の選定が重要です。水性塗料であっても、溶剤に近い成分を含む場合があり、旧塗膜との相性によっては熱フクレを引き起こす可能性があります。特に濃彩色は表面温度が上昇しやすく、フクレのリスクが高まります。

 

安全性を重視する場合は、溶剤形を避けて下塗りに水性形の弾性フィラーを使用し、上塗りに淡彩色の水性塗料を選択することが適しています。さらに、施工時期を夏場から避け、気温が落ち着く秋以降に行うことで、塗膜の安定性が高まり、トラブルのリスクを抑えることができます。

 

 

フクレが出てしまった場合の対処法

 

すでにフクレが発生してしまった場合は、南面や西面の温度が下がる季節を選んで作業を行うのが望ましいです。

旧塗膜(1液アクリル樹脂塗膜)までをはく離剤などで除去し、表面を清浄化したうえで、前述の安全な仕様に従って塗り直すことで、再発防止につながります。

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