塗装・塗料の専門知識
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2019
8.1外壁に縦すじ状の黒い汚れが…!
黒い汚れの原因はすすなどのカーボン?
ビルや住宅の外壁に黒いすじ状の汚れが目立つ建物を見かけることがあります。美観としては、あまり気持ちの良いものではありませんね。どうやら雨水が垂れた跡のように見えますが、雨水は無色透明なのになぜ黒くなるのでしょうか?
このような症状の原因は、空気中に漂うすすにあります。工場から排出されるばい煙やディーゼル自動車の排気ガスに含まれるすすなどの黒いカーボンが、雨水に混ざって降雨して建物の天端、窓下などの水切りから、壁面に伝って垂れることで生じます。カーボンは油の性質を持っています。通常、外壁の塗膜表面も同じ疎水性で油の性質を持っています。そのため、雨に含まれるカーボンと塗膜の表面とはなじみやすく、壁面に雨水が垂れた塗膜表面にカーボンが吸着されて残り、黒い縦すじ状の汚れになってしまうのです。
塗膜表面が親水性の性質をもつ低汚染の外壁塗料で予防
このような縦すじ状の黒い汚れが外壁に発生しないように予防するにはどうすれば良いのでしょうか?
考えられる予防方法は二つあります。一つ目は、窓の面台や笠木天端に少し長めの水切りを設けて、雨水が壁面を伝わらないようにする方法です。二つ目は、外装の上塗り塗料に汚れ原因のカーボンの疎水性となじみの悪い水の性質を持った、親水性の低汚染塗料を用いてカーボンの吸着を少なくする方法です。もし、ご自宅でこの様な症状が出てしまった場合には、外装をブラシなどで洗い落す方法が考えられますが、外壁を洗うのは非常に大変な作業となります。たとえ洗えたとしても塗膜にカーボンが吸着されていますので汚れは十分に取り切れません。
気になるようでしたら塗り替えを行いことになりますが、上塗り塗料は親水性レベルの高い低汚染塗料を選択されることをおすすめします。