もしかして強化コンクリート？

 

完成から30年以上が経過した物流倉庫の屋内駐車場のコンクリート床のぬりかえ塗装の際、サンダーで汚れを取り除いた後に床用のエポキシ樹脂系の塗装仕様で仕上げたところ、わずか半年後にトラックのタイヤが通る部分からはく離してきました。

 

現場を調査したところ、はく離はコンクリートと塗膜界面で発生しており、はがれた部分のコンクリートはグリーン色でツヤがあります。また、皮スキで引っ掻いてもキズが付かないほど硬く、間近で観察するとキラキラ光る金属的なものが含まれていました。このことから一般にフェロコン・カラークリートと呼ばれる難付着性の強化コンクリートであることが分かりました。

 

強化コンクリートは、コンクリート打設時に施工する一体成型工法で作られる金属成分の鉱物系骨材が配合された非常に緻密で硬い床材のことで、付着性に優れるエポキシ樹脂塗料でもはく離することがあります。

 

 

 

塗る前に下地の調査が必要

 

このような事故を予防するには、塗装前にまず下地のコンクリートを確認が必要です。フェロコン・カラークリートの見分け方はドライバーの先で強く引っ掻いてもキズが付きにくい、水を垂らしても吸い込まないほど緻密、さらにキラキラ光る金属成分が入っている場合は強化コンクリートと特定できます。

 

 

 

強化コンクリートに塗装するには

 

強化コンクリートに塗装する場合は、硬質用研磨機による表面の研磨除去、または酸による表面エッチング処理などがありますが、これらの方法は準備と後処理に大変手間がかかるため、対策は通常の床研磨機で表面の汚れ、ワックスなどの清掃を行った後にシリケート成分が入った強化コンクリート専用プライマーを塗装してエポキシ樹脂床用塗料で仕上げます。

 

また、はく離してしまった場合は付着している活膜は残し、浮いている塗膜やその周辺の塗膜のケレンを行った後に、露出した強化コンクリート面は、ワックスが残っている可能性がありますのでサンドペーパーで研磨後、ラッカーシンナーで拭い取り、上記の強化コンクリート専用プライマーを塗装し、エポキシパテではく離段差を修復して、エポキシ樹脂床用塗料で仕上げてください。