塗装・塗料の専門知識
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2026
3.2EP塗装でシミが発生
シミは結露によって表面に呼び出された活性剤
冬期に、古いコンクリート造の図書館で内壁の塗り替え工事を行いました。塗料はEP(合成樹脂エマルションペイント)を使用しましたが、施工翌日の仕上がり確認で、北面の壁面に点状のシミが発生していることが確認されました。
今回の症状は、建物の構造と冬場という施工時期が重なったことが大きな要因と考えられます。
古いコンクリート造の建物の内壁には、断熱材のないコンクリート直の壁が多く、外気温の影響を受けやすい傾向があります。そのため冬場は特に壁面温度が下がりやすく、室内も密閉されがちなことから、結露が発生しやすい条件が揃います。
このような下地条件のもとでEPを塗装した場合、塗膜が十分に乾燥する前に結露が発生し、塗料中の活性剤(分散剤・乳化剤)が結露水とともに塗膜表面に呼び出されることがあります。その後、塗膜の乾燥に伴い水分だけが蒸発し、活性剤が表面に残ることでシミとして見える状態になったものと思われます。

予防の基本は現場の環境管理が重要
このような症状を防ぐためには、塗膜をしっかり乾燥させる施工環境を整えることが重要です。乾燥期間の目安としては、夏期は2〜3日程度、冬期は1週間程度を想定しておくと安心です。可能であれば、冬期の施工は避けて、暖かい季節に塗装するのが最も確実な対策と言えます。
冬場に施工する必要がある場合は、出来るだけ日中の早い時間に作業を終えられるように工程を組み、湿度計を設置して湿度が50%を超えないようにサーキュレーターや扇風機を用いて空気を循環させ、定期的に換気を行い室内の湿度を下げることが必要となります。また水蒸気を出さないエアコンやオイルヒーターを併用することで結露の発生を大幅に抑えることができます。
すでに症状が出た場合の対応
シミは、表面に出てきて乾燥した活性剤等を、湿らせたウエスで丁寧に拭き取ることで解決します。
ただし、大壁などでは斜光時にウエスでのふき取り跡が見えることがあるため、活性剤を十分に除去した後、同一のEPで塗り直す対応が必要となります。その際には前述の結露防止対策をしっかり施すことが重要です。